燦然と煌めく

向日葵の花言葉「あなただけをみつめてる」

悪魔は新橋演舞場で生まれた

あの1ヶ月間を、リアルタイムで追いかけた私が書き綴るべきなのは、作品についての嗜好よりイアーゴーを演じた神山智洋が纏っていた空気感、圧、そして殺気を、画面越しの何万倍も臓器に刺さるような演技をしていた彼の印象を、この拙過ぎる語彙と木曜深夜のテンションでお伝えしたい。

 

昔の下書き供養しまくってて申し訳ないです、

ちょうど1年くらい前(2019年の年始)に書いたものです。

 

ここ数日でジャニーズWESTが世間の目に触れる事が増え、神山くんって人が気になるな〜って思ってる方が増えたと思うんです。多分。

最初のイメージは、金髪(派手髪)で、歌が上手くて、ダンスが上手くて、顔が韓国人っぽくて(褒めてるよ)…って第一印象からすでにハイスペックなんですよ神山くんだから当たり前なんだけど。

でも本当の魅力、沼底で私を掴んで離さない彼の魅力って「ストイックさ」とか「負けず嫌いだけど他人に優しい」ところなんですよね。

 

⚠︎注意事項

このブログは神山智洋のヲタクが神山智洋のかっこよさをただただ書き殴っています。人の意見なんてどうでもいいです。かっこよかった話聞いてください。それでよかったら一緒に神山智洋の沼入ってください。

 

 

実際に観劇された方は実感したと思います。冒頭から彼のセリフで脳が痺れた事、心臓を内側から掌で握られ、体を血管で巻き付けられ、冷たい箱に1人で入ったような感覚を。

 

愛する人を疑い、恨み、それでも愛して、周りを欺き続けた男を演じた彼への負担は目に見える程で、

千秋楽後のブログでは本人は砕けた口調で、しんどかった、なんて書いてますが何回読み返しても泣いてしまう。

実際私が観劇した公演のカーテンコールの際、ふらっふらで魂が抜けかけた姿も目の前で見てしまったものですから、こちらまでしんどくなった反面、ここまで役にのめり込める役者さんであることを実感させられ大変驚きました。

 

私が他のどの神山くんが出演した作品よりもオセローに思い入れが強いのか、はっきりした理由は自分でもよく分かっていませんが兎に角全てが衝撃的であったのだと思います。

 

ただの裏切り者に見えて、周りの人間や自分の奥さんからも最終的には憎まれる役ですし、もし神山くんが自ら演じたイアーゴーを憎んでいたとしたら、

いや、イアーゴー自身が自分を憎んでいたとも捉えられますが、相当な負担だったと思います。

 

正直に申し上げるならば、私はアイドルの、ジャニーズWEST神山智洋はもう一生戻ってこないのではないかと不安になる程でした。

 

教育テレビさんで放送された際にはカットされてしまっていたのですが、

3幕の中盤、ロダリーゴーにキャシオーを殺めるように話すシーンがありました。

苦しむデズデモーナを見て、これが自分が招いたものなのかと自分自身を怖く思い、恐怖と憎悪で自分を見失うイアーゴーにロダリーゴーが追い討ちを掛けたのです。

その瞬間、イアーゴーの中で成長していた悪魔が全てを乗っ取ったように見えました。

その様に見えたと言いますのも、舞台の中で誰もイアーゴーが悪魔に住み着かれた、とは思っていなかったからです。

でもあれは…イアーゴーのことどんな風に思っていたとしても、怖かった。

 

公演期間中にいろんな解釈のブログやツイートを漁り、また原作を新訳で読み直すなどかなりガチ勢の体制で千秋楽まで思考を巡らせてみましたが、そもそも原作の印象が人によってバラバラなことに気づきました。

小説ではなく、舞台の原稿ですから当たり前かも知れませんが。

 

私は原作(旧訳)を読んだ段階では、イアーゴーが品性下劣な根っからの悪役であることを疑いもしませんでしたし、オセローとデズデモーナ夫婦の純愛をそのままに受け取りました。

ですが演舞場の舞台では、オセロー夫婦は夢見がちな、小説の中の人物であるような印象でした。

言ってしまえば、非現実的な存在。

そうありながらも、彼らの経験する葛藤、苦しさ、非日常的な心への負担を観客にも与える事こそこの脚本・演出の素晴らしいところだとも思います。

 

一方で愛する夫のためなら浮気くらいしてやるわ、と話すイアーゴーの妻でありデズデモーナのお付きの侍女エミーリアはとても現実的でした。

生きている人間、そう何もかも正しいと思った事だけ行って綺麗に生きていける物ではありません。

 

皮肉にもとても人間らしく、妻を愛したが故に自分の生きる世界を失ったのがイアーゴーだった、

そう捉えることが出来るようになってからは彼に感情移入する以外の手段が無くなっていました。

 

シェイクスピアが残した悲劇の物語たちはきっと

後世でいろいろな思いを伝えるための手段としてあえて曖昧に作られていて

捉え方は自分次第、で正解。

 

典型的な日本の作品と違って、捉え方に正解がない物語は少し私には歯痒かったですが

自分なりに噛み砕けたのはとても楽しかったです。

 

機会があれば別のオセロー作品も見てみたいと思います。きっと違う印象を受けると思うので。

 

 

途中からただのオセローの感想文みたいになってしまいましたが(笑)、

弱冠25歳で、イアーゴーを務め上げ、こんなしがないヲタクの感情をぐちゃくちゃにしてくれた神山智洋ってほんとーーーーに激エグです。

 

本業アイドルとか信じられない。

 

彼自身がオセローのことをあまり話さないのはあの時期を見ていた人からしたら結構マジで信じられないくらいの大転機だったので

(結構ガチで顔?表情?変わってる。メイク抜きにしても)

多分記憶すっとんでると思う。

 

でも、いまだに神山くんの表情にイアーゴーが見え隠れするんですよ。恐ろしい。

前は絶対にしなかったニヒルな笑い方とか、笑い声。

イアーゴー様は白目が強い、みたいなことを仰ってるツイートを見たことがあるのですが、

まじでその通り。

 

YSSBの神山くんは4割くらいイアーゴー。

 

あんな表情2018年の8月末までの私に見せても違う人だと思われるよ。

 

正直私はあれを成長というよりかは改ざんとしか受け取れないんだけれども、

神山智洋に沼落ちした女としてはこれを抜きにして彼を語れない。

 

ご新規の神山担さんには特に、知らない時代を今見るのは怖いかもしれないけど、ぜひ見て欲しい。

 

きっと何年後に見ても、鳥肌ものだし、きっともっと好きになれるよ。純粋な好きでは居られなくなるかもしれないけどね、イアーゴーのように。